#51〜#53
JR西日本・戸河内駅のB-POSで発券した可部線最終区間の乗車券です。
様式としてはMARSで発券された乗車券に類似していますが、発券会社の記号が入る、「\」の字体が違うという細かな違いもあります。発行箇所は駅名に3桁のPOS番号(?)がつく形。
この約4か月後、平成15年11月末限りで可部線可部〜三段峡間は廃止されました。この時を含め3回ほど乗ったり撮ったり集めたりして回りましたが、この時点では列車で途中駅を訪れる方はまだ多くなく、静かでしたね……(加計の18きっぷ常備券は売れてたようですが)。列車の中を除いて(苦笑)、のどかな気分に浸れたのを覚えています。
岡電バスが津高台団地線に参入していた時に発売されていた乗継券です。岡電バスは路線の途中に津高営業所を持つことから、津高営業所→津高台団地循環→津高営業所→岡山駅方面という系統を午前中中心に、岡山駅方面→津高営業所→津高台団地循環→津高営業所という系統を午後中心に運行する形を取っていました。そうすると午後4時台以降は津高台団地から岡山駅方面に直通できる便がなくなるため、津高営業所で乗り継げるようにしたのがこの乗車券の成り立ちです。
津高営業所で乗り継ぐ際に予め直通運賃を収受した上で画像の乗車券を発行していました。準常備と言えるタイプで済生会病院前までに下車する場合はミシン目で切り離して旅客に渡す形式でした。券面では両矢印になっていましたが、岡山駅側から乗車する際この券を発行するという案内はなかったように記憶しています。
岡電バスが免許センター線に参入していた際に発売されていた往復券です。こういう往復券ですと、特定の時間帯に利用が集中するため運賃収受の効率化を図る目的がありますが、岡山駅バスターミナルにおける圧倒的に優位な乗り場配置を生かして競合他社に対して旅客の囲い込みを図るという意義もあったような気もしますね……。裏面には「岡電専用」と大きくあり、「往復切符お求めの方で、帰路お迎えなどで不要になった場合のみ払戻しいたします。他社ご利用後の払戻しは、ご遠慮申し上げます」とありました。
免許センター線の競合状態は約3年で収束することとなり、岡電バスは'06年12月28日の運行をもって当路線から撤退することに。最終日の立ち売りでは記念の台紙に往復券をセットしたものを(何故か)1,000円で発売していました。どういうわけか旧版が使われた往復券には「最終運行記念」のハンコが捺され、控えごと台紙にホチキス止めされていました。乗車券には片道分、鋏が入っており、降車時も渡さずに「記念にお持ち帰りください」とのこと。マニア的にはサービス精神にあふれていましたね(笑)
免許センター線では旅客誘引のため岡電バス全線に乗り継げる無料券を配布していました。これも競合の解消と共に、空港線の乗り継ぎ券共々姿を消しています。
「きっぷ収集の記」最後はこんな記事で締めくくりたいと思います。
JRのMARS端末に3年前から導入が進められている直接サーマル方式(つまり感熱紙を利用した方式)のMR30系列。やがて印字が薄れる/消えるという感熱紙の特性からきっぷ収集的には一般に有り難くない代物です。
その印字保持性能はどんなものかと昔の券を引っ張り出してみましたが、MR32が導入された初期に購入した乗車券 (画像上)では、3年経った今でも多少台紙の焼けが見られる程度で印字は黒々と保たれています。赤黒二色感熱印字の特徴である文字外周の赤みはある程度抜けたのか、あまり感じられなくなっています。
一方購入してから早い段階で2ヶ月程度陽に当てておいた券が下のものです。全体に台紙は茶色っぽく、文字も幾分薄れてはいますがまだ十分判読可能です。券売機券でこれをやると印字どころか地紋まで消滅してしまう有様ですので(何故?)、券売機券に比べ相応に高い印字の耐久性をもっていることが分かります。一方赤発色部分は薄れてしまったか痕跡はうかがえません。超長期的にどうなるか、というのは言えませんが、常識的な環境であれば興味の持つ限り何とか保つかな、という印象は受けました。
ただ、上の例は導入当初で印字がくっきりしていた券の場合でして、最近買った券の中ではこういう印字状態のものも見かけます。
ぱっと見で何か少し赤っぽいなぁ……という印象ですが、拡大してみるとこんな感じです。
サーマルヘッドの熱が十分でないのか、JRマークの光反射塗料が塗布された部分を中心に黒の発色が十分でないことがうかがえます。どうも赤色の感光色素は黒のそれほど持ちが良くないようで、こういう状態で発券された券について保存性にやや不安を覚えます。
それ以上にアレなのがJR九州のPOS端末の卓上感熱プリンタで使われているこの券紙で、性能が自動券売機並みという……。これについては耐久性を見ていないので何とも言えませんが、見るからに茶色い券紙とかスタンプ類のノリの悪さ(ずいぶん古いタイプの入鋏印ですが、滲んだ……)とか見るにつけ暗澹たる気持ちになりますね……。
そんなこんなで集める楽しみが徐々に薄らいでるのはどうにも残念ですが、今後どうなるかも含めてこの先まだまだ追っていきたいと思っております。