・2010.07.21運行開始

　残念ながらこの時点の運行時刻は資料として有していないが、概ね以下の運行内容であったという。
・鉄道ダイヤに合わせた運行
・厚保付近の県道崩落の影響により、厚狭〜美祢間を国道経由のノンストップで運行
・原則として美祢駅で乗り換え

　県道33号が片側交互通行で開通したのに伴い、厚狭〜美祢間で途中厚保・四郎ヶ原・南大嶺を経由する「県道経由」の運行が開始された。 同時に国道経由では湯ノ峠駅付近にも停留所を設置し、客扱いを開始した。
　運行ダイヤは原則として鉄道の運行時刻に合わせており、ダイヤ上全便美祢で乗り換えとなっていた。美祢以南では列車1便に対して国道経由・県道経由各1便が運行されていた。
　県道経由の方が国道経由より所要時間が長い関係から、長門市発着便の連絡は一部を除いて国道経由が担っており、県道経由からは厚狭発で一部接続がある一方、長門市発からの接続はとられていなかった。

　中高生の始業による需要増大を前に再度運行時刻が変更された。主な内容として、
・朝1往復をを除いて美祢乗り換えを廃し、長門市発着便は厚狭まで通し運行とした。
・通学利用の多い時間帯に列車の運行ダイヤとは別に便を新設。
・接続関係を若干見直し、長門市から厚保方面へ直通するダイヤが午前中に設定。
　併せて区間所要時間も調整されている。

（厚保非経由便が国道(湯ノ峠)経由）
*：6551Dは土休日・長期休暇運休、729D、731D、733Dは奇数月の第4水曜運休(祝日の場合を除く)。代行バスは全便毎日運行。

（厚保非経由便が国道(湯ノ峠)経由）
*：728D、730D、732Dは奇数月の第4水曜運休(祝日の場合を除く)。代行バスは全便毎日運行。

・代行バスの区間所要時分（日中の場合。朝晩は多少前後する便あり）

　厚狭〜国道経由〜美祢：23分
　厚狭〜県道経由〜美祢：38分、美祢〜長門市：45分

　厚狭(←6, 4→)湯ノ峠(←17, 19→)美祢
　厚狭(17)厚保(7)四郎ヶ原(7)南大嶺(7)美祢
　美祢(6)重安(7)於福(11)渋木(8)長門湯本(←7, 6→)板持(←6, 7→)長門市

・使用車種

　大＝大型バス：70名（立席含む）
　中＝中型バス：50名（立席含む）
　マ＝マイクロバス：28名（座席定員）
　ジ＝ジャンボタクシー：14名（座席定員）
　（定員については配布版時刻表に「(ご参考)ご乗車いただける人数」として上記の記載があった）

　上記のダイヤで美祢線運行再開まで運行が継続された。
　この改正での乗車チャンスの拡大により改正前のバスダイヤと比較して利用が増加したとのことであった。

　なお、美祢線運行再開後の鉄道ダイヤは災害前と同様の運行内容に戻っている。

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余談：県道経由の代行バスとJRバス厚狭線

　美祢線代行バスのうち、「県道経由」の県道65号を通る区間、バス停名称で厚保本郷〜栗田間に相当する区間では現在路線バスの運行は行われていないが、道路上にはバスカットや待合小屋・風防が散見され、かつて路線バスの運行があったことが伺われた。

　かつてここを走っていた路線バスは国鉄バス〜中国JRバスが担当していた。秋吉線の支線の一つで厚狭線と呼称されており、美祢から四郎ヶ原を経由して厚狭までを結ぶ路線であった。かつては厚狭駅と秋芳洞とを結ぶ観光路線の経路ともなっていた。
　手持ちの時刻表では、1990年時点で3往復と厚狭〜四郎ヶ原間の区間便が1往復あったものが、翌年には1往復まで減便されており（写真）、正確な時期については不明だが、この時点から遠からぬうちに廃止になったものと推察される。

　この時刻表上から運行経路を詳細に見ると、美祢〜四郎ヶ原町（サンデン交通の「四郎ヶ原」）〜四郎ヶ原〜厚保駅前〜厚保本郷〜厚狭とあり、県道33号〜県道65号を経由し、四郎ヶ原では駅前まで入っていたものと思われる。これは今回の美祢線代行バスの県道経由の経路と近似している。

　美祢線の代行バスとして運行された県道経由の路線であるが、経路上はかつて並行したJRバス路線をたどるものであったことは興味深い。

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